宇和島市の「道の駅きさいや広場」では、すでに蒋渕(こもぶち)の方々が、特産品を販売中である。さまざまな魚の一夜干し、鯛ピザロール…。今日の授業の主役である「岩牡蠣」も、網の上で焼かれている。うまそうだ。が、しかし、今日の授業には、岩牡蠣の試食もあったはずだ。がまん、がまん!
10時30分、市民ギャラリーで授業が始まった。参加者は、15人ほどか。まず、今日の授業の講師紹介につづき、いよココロザシ大学の宮本さんから「生物多様性と岩牡蠣とのつながりについて」の説明があった。
次いで、蒋渕の企業組合「こもねっと」理事長の高木治さんから、「こもねっと」の活動紹介があった。宇和島市の三浦半島の突端に位置する蒋渕地区では、真珠母貝養殖が盛んだったが、真珠母貝の大量斃死で壊滅的な状況になり、6年ほど前から真珠母貝の養殖施設をそのまま流用できる岩牡蠣養殖を始めたという。
また、岩牡蠣は冬場の真牡蠣と異なり、海水温が多少高くても育つともいう。「こもねっと」の会員は、このような岩牡蠣養殖を支援するために、販売のお手伝いや、磯枯れによって海藻類がなくなってしまった海域で、海藻復活を試みたり、海藻を食いつくしてしまうガンガゼ(ウニの仲間)退治をしたりして、その効果も現われているという。
岩牡蠣養殖のプロセスについては、蒋渕岩ガキ組合代表の浅田貴之さんから、種付けから収穫までを解説していただいた。岩牡蠣は、天然ものはなりは大きくても身は意外に小さいことが多く、殻がごつごつしていて扱いにくいことなどから、販売には向かないらしい。けれど、養殖ものは3年間の生育途上で殻をみがいており扱いやすく、またどの貝にも身がしっかりと入っているのが特徴だ。持続的な養殖のためにも、海域の環境の保全にも力を入れているという。
で、待望の試食。わぁお、身が大きくて、濃厚。ひとつで普通の真牡蠣の3倍以上ある。ぷりぷりしていて、ごちそうさまでした。ちなみに、今日の大きさの岩牡蠣を東京のレストランで食べると、1個1000円以上!!ということ。そういえば、きさいや広場でも焼き岩牡蠣1個300円、2個500円という大サービス値段だったけれど、普通に買っても1個450円ほどの高級食材なのでした。
(報告=むっしゅ)