午後9時10分…目印の旗のもとに、“生徒たち”が集まります。
本日の授業は閉店後の店舗へ入るということで、あらかじめ集合してジュンク堂まで移動。
旗を持ったスタッフの後をみんなで歩き、既に気分は夜の遠足。
私たちを迎えてくださったのはジュンク堂松山店の
福田店長、祐村副店長、池内さんのお三方。
6階医学書フロアで自己紹介の後、まずは福田店長のお話を伺いました。
出版社と書店の間には取次販売会社があり、どの書籍をどう配本するかは
取次が決めるため、欲しい本が欲しいだけ入るわけではないこと。
棚には限りがあり、何が売れるか、何を売りたいかのバランスを考えながら棚作りをしていること…
店長のお話には、現場にいる人だからこその臨場感がありました。
ここで講師を池内さんに交代し、医学書担当者ならではのエピソードを伺いました。
医学書だけでなく看護、介護、東洋医学など関連分野の書籍も幅広く置いていること。
販売状況や顧客の問い合わせなどに常にアンテナを張り、品揃えを良くしていること…
池内さんのお話からは、担当の分野に前向きに取り組む書店員の姿が伝わってきました。
次のお話を聞くために理工学書フロアまで移動します。
照明といえば非常灯のみの店内を歩く私たちは、
まさしくナイトウォーカー。
外から見ると怪しい盗賊団に見えるかも?
祐村副店長からは、理工学書フロアならではの書籍や商品をご紹介いただきました。
きっちりと棚差しされた書籍の背タイトルを見ていると、文系人間は眩暈を起こしそうです。
でも『ラジオ用天気図用紙』や“元素周期表の下敷”なんかも置いてあるんですね。
そして、それらが毎週コンスタントに売れるそうですからすごい。
副店長のお話で印象に残ったのは
“担当といってもその分野に通暁している必要はない”という言葉。
確かに自店や他店舗の売上データを睨んでいれば発注や在庫管理はできるかもしれません。
でも、商品とその商品を必要とする人についての知識がなければ顧客に喜ばれる売場作りはできないでしょうから、“その分野(の中身全て)に通暁している必要はない”とさらりと言ってのけられるのは、担当分野の書籍について知識を持ち、それをきっちり扱えるプロだからこそだなぁと思えます。
これは医学書フロアでも感じたことでした。
1階に降り、締めくくりのお話と挨拶。
「ここにもっといたい!」と皆が思ったことでしょうが、そうもいかず、解散の時間となりました。
深夜の本屋さんって、不思議な空間でした。
本が音を吸い込んでしまうのか、人がいて話していても、
何だか静かな、しんとした雰囲気があります。
でもその中で働いているのは、本が好きで人が好きで本が好きな人が好きな、熱意あふれる
書店員さんたちでした。
福田店長、祐村副店長、池内さん、 “深夜の怪しい盗賊団(本と書店の話限定)”への楽しい授業、どうもありがとうございました!
【報告 小池ひろみ】