10月28日の朝、いつものように新聞に目を通していると、内子町の自然農園で「笑心まつり・手づくり市」が開かれていて、今日は音楽のライブもあるということが載っていた。さっそく友人と二人で行ってみることにした。
宇和島から車で40分、市街地から少し離れ、四方を山に囲まれた小高い丘の上に農園はあり、手作りのお菓子や食事の屋台なども並び、すでに大勢の人でにぎわっていた。
その中に、何やら熱心に話に耳を傾けているグループを見つけ、何だろうかと声をかけ寄せてもらった。口元にマイクを付けた作業服姿の農園主らしき男の人が、自分の目指している農法や生活、まわりの自然環境の現状について話し、質問にも丁寧に答えていた。
草の上に敷いたゴザに座り、風を感じながら話を聞いていると、まるで森の中の小さな学校のようにも感じられた。初めて知る話もあれば、知ってはいても自分は実行できていないと反省させられる話もある。
短い時間ではあったが、感心したり共感したりしながら興味深く聞くことができた。自分が南予の恵まれた自然環境の中で暮らしていても、世界規模で環境破壊が進んでいることが気になっているため、より関心をもって聞くことができたのだと思う。
日本全国の自然や人と関わりながらキャンピングカーで旅していた時も、こんなところでこんなことが…と首をかしげたり、時には肌立たしさをおぼえるような光景に出会うことも多々あった。
また、この活動が「内なる生物多様性」事業の一環であることを知り、これからの授業にときどき参加させていただくことをお願いした。「生物多様性」という言葉は、私自身、今まであまり耳にすることはなかったが、今日のお話の中でこの事業の目指すものが少しだけ理解できたように思った。
私は、この事業は人を含めた全生物が豊かに生きられる環境づくりを進めるために、ひとりひとりが目的や課題について確認しながら努力するという意識を高め、地域で実践につなげていくための活動ではないかととらえた。
午後の「笑心まつり」ではアフリカから来られた人たちのライブがあったが、日本という狭い考えでなく、国境を越えたつながりの中で、個性を大切にしながら参加者全員が心から楽しんでいるように感じた。
残念ながら最後まで残ることはできなかったが、急に思いついて出かけたことがこんなにも楽しく有意義な一日になり、いろいろな皆さんと出会えたことに心から感謝し、ありがとうの言葉にかえさせていただきます。【報告=T・T】