<千町棚田でのお茶摘み体験>
蒸しあがった茶葉から立ち上る香り、茶葉を素手で揉んだときに、しっかり手に残るお茶の香り。自宅に持ち帰って袋を開けたときに広がる香り。普段何気なく飲んでいるお茶なのですが、今回はその匂いに気づかさせられることになりました。
素人作業にもかかわらず、店で販売されているものとは格段に違う香りでした。茶畑といっても、現状は自然に広がっていった感じがするほどの生え方で、棚田沿いの石垣の間や、竹林内に自生している木もありました。正確な事はわかりませんが、自家使用目的でお茶の木が集落周辺に植えられている印象を持ちました。お茶を摘み、それを蒸し、揉んで乾燥させる作業工程は意外に手間のかかるものでした。
最近は、自分でお湯を沸かし、急須でお茶をいれることすらせず、ペットボルトを購入することがほとんどです。今回、一連の作業を通して、お茶は立派な嗜好品であることを感じずにはいられませんでした。
昼食に頂いた手作りの猪肉入りカレー(おこげ入り)もたいへんおいしくいただきました。当たり年の竹の子もたくさん掘ることができ、大量に持ち帰りました。体はくたくたになりましたが、参加したことによって貴重な体験ができました。
失われていく棚田の風景を見ながら、ふと暮らすこととはなんなのだろうと考えたりもできました。ありがとうございました。
【授業レポート:芳野仁志】