今、私が住んでいる今治市の大島にも、塩田経営で財をなし、築かれたりっぱなお屋敷があります。
そのお屋敷のことを知ってから、瀬戸内海の塩田やその歴史に興味を持つようになり、今回の授業にも、ワクワクしながら参加させていただきました。
当日は、あいにく小雨交じりの芳しくないお天気だったため、待望の「塩づくり」は体験できませんでしたが、復元された「揚げ浜式塩田」を目の前にして、文献だけではなかなか思い及ばない、かつての塩作りのたいへんさを感じることができました。
その後、佐島の塩田跡で、最新の発掘調査の成果についてお話をうかがいましたが、発掘現場の秘めるさまざまな情報とともに、自然に寄り添いながら築いてきた古人の知恵の深さに感服。
現場では、日本の学生と共に、中国や韓国からのたくさんの留学生の方々が汗を流していました。こうした人の交流がほんとの意味でのグローバルな世界を創っていくのですね。
発掘現場での研究者のお話が白熱したらしく、予定の野草摘みはちょっと省略、といいつつ、村上先生は次の授業現場へ急ぐ車の中から、次々と食材を発見しては車を下り、あっという間にお昼ごはんになる野草が新聞バッグに満杯。
そして、次なる授業、藻塩づくりの現場に到着。
島の歴史に繋がる古の手法を復元されていることだけでもすごいですが、山間部の地域との交流から生まれたという新しい商品も開発されていて。
お土産にいただいた手びねりの土器で作った塩はとてもなめらかで、舌の上にのせると深いうまみが広がっていきました。
お昼ごはんは、野草のてんぷらをメインディッシュに、島で獲れたタコの天ぷら、先生が用意してくださったヒジキご飯や野草をトッピングしたそうめん、地元野菜の酢の物といった豪華版。
島の日常の豊かさや暮らしを楽しむ心の豊かさ、身近に自然がある暮らしのゆたかさなどなど、あらためて教えていただきました。
一日お世話になった村上先生、ココロザシ大学のみなさま、ほんとうにありがとうございました。
【授業レポート:川崎 良重】