今回、フォ・ジェンチイ監督のお話が聞けるということで、「いよココロザシ大学」初参加です。『山の郵便配達』は大好きな作品ですので、その監督の話が聞けるなんて夢にも思わなかった授業でした。
雨の中、会場の愛媛コミュニケーションビジネス専門学校に初潜入。
通されたのは授業でも使われている階段状の講義室。そこにはでっかいスクリーンが降りていました。
泉谷学長のあいさつに始まり、参加者の自己紹介後にフォ監督の『台北に舞う雪』を鑑賞。
この映画に登場する、街に電車が走る風景が松山に似ているなーと思ったのは僕だけ?
上映終了後に1階の「にこら」に移動。茶菓子をつまみながらトークがスタート。
フォ監督の隣には、「人民中国」の編集長で映画研究家の王さん、中国の映像プロダクションで日本担当プロデューサーの李さんも同席。
まず、なぜここにフォ監督たちがいるのかを学長から説明がありました。
フォ監督には日本を舞台にした作品の構想があるそうで、その中でも瀬戸内の風景に興味をもたれたらしく、亀老山から見た夕焼けが印象的だったと監督。
トークは私たちの質問に監督たちが答える形式で、観たばかりの『台北に舞う雪』や、愛媛の印象等があがりました。その中で「監督たちが影響を受け(好きな)監督は?」という私の質問が読まれ、日本人監督の黒澤明、山田洋次、深作欣二、小栗康平、今村昌平といった名前が上がりました。特に山田洋次監督には影響を受け、自分に近い作風にシンパシーを感じているようです。
その他の印象的なお話では、王さんの「80年代は社会派の日本映画を中心に様々な日本映画が数多く上映されたけど、今の中国では日本映画を観られる機会が減った」ことや、「中国は今、猛スピードで疾走していて、ゆったりとした映画を観るということがあまりない」。その中でフォ監督の作風の意義を熱く語っていました。
また、監督を目指す人へのアドバイスをとの質問に、フォ監督は「理解力」「美意識」「表現力」が必要と明確にアドバイス。特に「表現力」は才能として大切、技術は勉強すれば身につくとも。
最後は、瀬戸内を舞台に映画を撮るとしたらという質問。監督は「おへんろ」に興味を示しつつ、中国人と日本人のつながりを描きながら、夢や理想の話を描けたらというお話で締めくくられました。
終了後、記念撮影にも快く応じてもらい、作品から受ける印象通りの、温和なフォ監督でした。
スタッフの皆さんお疲れ様でした!
<報告:石川誠二>