私は「食育」にとても興味があります。この授業を受けることで、ぬか味噌について様々な知識を吸収できると思ったのと、人生の先輩の貴重なお話しを聞かせていただきたいと思ったのが、受講の理由でした。
先生は西予市宇和町の老舗『松屋旅館』女将さんでしたが、まずは息子さんから、糠漬けとは米糠を乳酸発酵させたものであることを教わりました。びっくりしたのは、ぬか床は毎日かき混ぜると思っていたのですが、混ぜても混ぜなくてもよいそうです。
理由は混ぜないと空気が遮断されて発酵が進み、混ぜると空気が入って乳酸菌以外の不必要な菌が死ぬのでよいのだとか。他にも含まれている成分や栄養面、そして手入れの方法などを分かりやすく説明していただきました。
そのあと、女将さんに糠床作りの手ほどきを受けました。大事なのは新鮮な米ぬかを使うこと。これに煮干し、唐辛子、塩を混ぜ合わせ、少しずつ水(カルキの入った水はNG)を加えて、赤ちゃんの耳たぶのような硬さにします。こうして、初めての「my糠床」が完成しました。ぬか床育ては子育てと同じだそうです。
ただし、子育ては間違うと取り返しができませんが、ぬか床は大丈夫。どんどん失敗して、ぬか床を育てる楽しさを味わってほしいと言われ、少しホッとしました。
そして昼食には、旅館名物の『ひゅうがめし』と様々な種類のお漬け物を美味しくいただきました。 『ぬか漬け』は私の祖母が作っていたので、とても懐かしい気持ちになりました。なにより、とても美味しく、ご飯のおかわりまでいただいてしまいました。
この素晴らしい『糠漬け』を私たちの若い世代が受け継ぎ、子どもたちへと伝えていなくてはならないと強く感じました。本当に素敵な一日を過ごすことができました。
その後、持ち帰った「my糠床」は実家の母にお願いしています。最初は私のマンションに置いていたのですが、ワンルームなので糠漬けの匂いが充満して大変なことになってしまいました。母には女将さんに教わったことを伝えていますので、たぶんいまもおいしく育っていると思います!
【報告=M・Y】