「カブちゃん先生ですよ〜」カブトガニのお面をかぶった河村先生の笑顔に、子供も大人も思わず身を乗り出した授業のスタートでした。カブトガニ、大きくなったものは、東予図書館で見たことがあったのですが水槽にいたのはかわいい赤ちゃんたちでした。エサをやるために泥の中からとりだすのも、傷つけないようにそ〜っとすくって、透明の水の入ったガラスの器にうつします。「久しぶり〜って感じで、みんなが集まってお相撲をしたりするんだよ。」と先生がおっしゃった通り、仲間同士が集まって小さな手足を一生懸命動かして、何やらコミュニケーションをとっているような姿は本当に微笑ましく、子供たちも必死で覗き込みます。そのカブトガニたちにエサをやるのを見ながら、クイズを交えた先生の解説が始まりました。カブトガニは、2億年以上前から同じ姿だそうです。それは、寒さに強い身体そして、身体に栄養を蓄えるしくみがあるため、1年間何も食べなくても大丈夫な身体を持っているからだそうで、あんなに大きな体の恐竜たちが息絶えた中でも、ずっと生きてきて、進化をする必要もなかったそうです。そして、このことに先生もとても感動したそうです。彼らは脱皮をしながら成長するそうなのですが、そのぬけ殻も大切に保管してあり見せて下さいました。小さなしっぽや手足の形まで、そのまま細かい形が残っている抜け殻…そう、セミの抜け殻のように立体的で透明で、皆で光に透かして見たりして、その美しさを楽しませてもらいました。河村先生は、今年の1月に10匹の赤ちゃんカブトガニを飼いはじめて、8匹も生き残っているのはめずらしいそうです。その2匹亡くなってしまったカブトガニのことも、「僕の扱いが悪かったかも…と自分を責めることもあるんですよ」と、愛情を注いで育てられている様子には、とても感銘を受けました。カブトガニの生育に適した干潟は、日本の中でも少なく、それが西条市にあるということで、もっともっとカブトガニを知ってほしい、そして干潟や自然を守りながら、これからの子供たちにも引きついで行きたい…という先生の思いがとても伝わってくる授業でした。最後に、地球が生まれて46億年。その46億年を今日までの1年に例えると… カブトガニが生まれたのは12月5日くらい、人間が生まれたのは12月31日16時だということも教えて下さいました。まだ地球上に間借りして、ほんの少ししかたっていないんですよね、私たち人間…。 こんなにいじらしく、そして強く永く生きてきたカブトガニたちや他の生き物たちと、一緒に笑顔で未来を迎えたいって…ずっと繋がっていたいって…大人も子供も青空の下で、「地球のために自分にできること」を考えるきっかけになったのではないでしょうか。 それは、ほんの少しの一歩になるかもしれませんが、積み重なって、必ず大きな一歩になると私は信じています。 河村先生、そしていよココロザシ大学の皆さん、素晴らしい授業をありがとうございました。
【報告者:岡野ゆき】