2日間連続で開催された「自由研究は興居島におまかせ」の最終授業でした。この授業のためだけに興居島まで来られた参加者もいる程、今回の授業テーマは興味深い授業でした。
授業の冒頭、1995年、当時世界銀行副総裁であったイスマル・セラゲルディン氏の発言である
「20世紀の戦争が石油をめぐって戦われたとすれば、21世紀は水をめぐる争いの世紀になるだろう」という、言葉が紹介されました。普段、当たり前のように水を使い、水に対する感謝を忘れがちですが、水が無限に存在し、誰にでも平等にあるものではないと再認識させられした。
続いて、一年間の降水量について学びました。日本の降水量は、1718mm。日本の降水量は、日本人男性の身長くらいと覚え方を教わりました。大まかな目安として記憶しやすいですね。そして、世界の降水量は、880mm。世界の降水量と比べて、一見日本の降水量が多く、日本人には潤沢に水資源が存在するように感じますが、日本の地形は、平野部が小さく急勾配が多いので、河川が短い。降った雨が海にそのまま流れる量が多い。そして、国土も狭いため、人口一人当たりに占める降水量は決して多くないそうです。そして、更に身近な「松山の降水量は?」との質問に、日本の平均より多い?少ない?と悩みましたが、答えは、「1315mm」。日本の平均より遥かに少なかったです。やはり、瀬戸内の穏やかな環境のためかなと妙に納得しました。
他にも、地球上に存在する水のうち、海水の占める割合は、97.5%、淡水の割合は、2.5%。しかし、その多くは北極、南極の氷で、実際に使用可能な淡水は、地下水や河川、湖沼などに存在する地球上の0.08%の水しか飲む事ができない。など水は貴重であるということを十分に学ぶことができました。
水を飲めるようにする方法は、ろ過、蒸留、煮沸などがあることを学びました。そして、蒸留実験を通して、海水から淡水を取り出すことを中庭に移動し行いました。海水の入ったヤカンを火にかけ、ヤカンの口に耐熱コップをセットし、外気に冷まされた水蒸気が、水滴になりそれを集めました。一滴一滴、なかなか貯めるには時間がかかりましたが、貴重な飲める水のありがたさを感じる授業でした。
【授業レポート:Y】