「自由研究はこれで決まり!in興居島」と銘打った授業に大人が参加するのはどうかなと思いつつの受講でしたが、これがびっくり多いに実りある授業ばかりだったのでした。わたしの参加したこの「島と台風」という授業もそのひとつ。
先生は中島沖の怒和島に住んでいる田中先生。実際に島に住んでいる方のお話は身に迫るリアリティーがありました。
まずは先生の自己紹介。怒和島の生活と仕事について。ご両親から受け継いだ柑橘農園をやりながらゴカイの養殖もされて成功したこと、毎日のように漁にも出ること。そのどれもが天気に大いに係る仕事だからいつも天気予報は気にしているのだということ。
そのお話の中で驚いたのは台風情報の見方です。私達は台風が自分の住む地域に近づいてきて初めて台風に関心を持ちますが、島では台風の発生時にもう情報を集めているとのこと。どの海域で発生したか、台風の目の位置や回り方、もちろんその強さも予測して備えるのが日常だとのお話でした。
「備えあれば憂いなし」まさにその言葉どおりに台風が来る前に船を陸に上げておく。ミカンの木を三方向に縛って支えておく。家には板を貼り付けておく。などの措置を迅速に行うのだそうです。「それで台風が来なかったらどうするのですか?全部無駄になる」との問いに先生は「それならそれでかまないが。来た時の被害の方が大きい。来なかったらまたもとに戻すだけ」と、さらっとおっしゃいました。かっこいいなあ。
授業では平成26年に中島に大きな被害をもたらした台風8号についても勉強しました。みかん山がごっそりなくなってしまうほどの土砂崩れ、家屋の損壊。松山ではそこまでの被害がなくても島は台風の通り道。まともに被害を受けてしまう。長年かけて培ってきた台風対策もその力を発揮できない時もあるようです。
最後に先生の大好きな釣りのお話をひとしきり伺いました。なんと、台風の後は魚が大量に取れるんだとか。台風によって海がかき回されて魚が浮いているんだそう。だから台風が過ぎ去った朝早くには陸に上げておいた船を大急ぎで海に戻して漁を始めるんだ。台風にもいいところはある。それがなかったらやってられん。とは先生の弁。なるほど!大いに勉強になりました。ありがとうございました!
【授業レポート:A氏】