いよココロザシ大学というものを知ったのは、ほんの2か月くらい前でした。これからの授業予定を見て、興味はあるがいまさらこの年でのこのこ出ていくのも面倒くさい、というのが本音でした。ところが、今回は「お昼の鱧(はも)料理」に魅せられて、つい「参加しますボタン」を押してしまいました。
最初にたずねた長浜高校の水族館は、重松先生のお話の上手さに乗せられて、すっかり長浜高校水族館ファンになりました。長浜高校がニモ(カクレクマノミ)で有名なのは、以前から新聞などで見聞きしていましたが、他にも肱川水系の淡水魚から長浜周辺の海の魚、宇和海や沖縄付近のカラフルな熱帯魚をたくさん見せてもらいました。校庭の大きな水槽にはタコ、イカ、アメフラシ、ヒトデ、別の水槽には小型サメ(私たちは子供のころ、ノークリと呼んでいましたが)などがいて、手で触ることができました。
長浜高校水族館部の生徒さんの、商業ベースの水族館にない、細やかで親切な解説を楽しんでいるうちに、集合時間になってしまっていました。この水族館は月に一度、第3土曜日に開館されているそうですが、この日を楽しみに周辺各地からたくさんのお客さんが見に来られていて、地域の人に愛されている水族館であることがよくわかりました。「県立高校でもこんなことができるんだ」というのが素直な感想です。
そのあと、長浜町の赤橋通り商店街を通って赤橋まで行き、肱川河口の様子を見て、長浜ふれあい会館でフラダンスを見て、港に近い「たかざわ」でハモ料理の数々をいただきました。ハモのしゃぶしゃぶ、新鮮でないと食べられないハモの「生肝」や「浮き袋」など、産地・長浜ならではの珍味を堪能しました。
この日の私の目的はこれで“達成”しましたが、授業はそのあともつづき、天然活魚店主・浜田さんのお店をたずねました。「まちなか水族館」として、生簀(いけす)に飼っている魚の話や、この生簀のために海水をくみ上げていること、魚などによって好みの塩分濃度が違い、別の水槽に分けて入れていること、釣った直後よりも生簀で1日以上おいたほうが、身が引き締まっておいしいことなど、ほんものの水族館では聞けない話を聞くことができました。
話につづいて、ハモの解体、フグの解体?のショーがあり、ちょっとショックを受けました。フグの解体は、まな板の上で身をくねらせているフグの鼻先を、いきなり包丁で叩き切り、途中で目(毒を含んでいるため)の部分を叩いて切り外します。そのあと3枚に降ろした中骨の部分が、しばらくピクピク動いているのには驚きました。「命を頂く」ことの現実を目の当たりにし、この最後の授業はこの日一番刺激的で、記憶に残りそうです。
お昼の食事だけでなく、楽しい授業を受けることができました。企画されたスタッフの皆様に改めてお礼を申し上げます。(報告=光藤高明)