おさかな館のお仕事には、淡水魚や淡水の生き物の飼育展示、それらの展示用生き物を捕獲すること、そして今回の授業のテーマである「川の生き物調査」があります。もちろん、経営や館内のさまざまな仕事はありますが、中心のお仕事はこの3つといえるでしょう。
今回もまた、松野西小学校5年生の元気な子どもたちが集まりました。川の生き物調査は、学校でもすでにやったそうですが、またやってみたくて参加したそうです。最初は、これまでの2回の授業でも行ったおさかな館のバックヤード・ツアー。コツメカワウソやアマゾン川最大の魚ピラルクなどへの餌やりや、おさかな館の飼育活動の一部を垣間見ることができました。ついでに、ペンギンのお散歩を見学した後で記念撮影。
いよいよ四万十川支流の広見川の生き物調査です。2人一組で網とバケツを持って、川の中へ入ります。曇り空で、ちょっと涼しすぎましたが、子どもたちは元気に水の中を歩きます。水生生物は少し流れの速いところの大きな石の下に多いということでした。小さな石だと石が転がってしまい、安定しないからです。
調査といっても、川下側に網をセットしてから川のなかの石をひっくり返し、石を指などでこすって水生生物をはがしとり、網ですくい取るのです。ですから、始まると、みんな夢中になって時間のたつのも忘れます。
その成果は、手長エビ、鯉の子ども、ヨシノボリ、ヘビトンボの幼虫等々、さらにはカジカガエルまで採集できました。手長エビは雌雄採集できましたが、雌はたくさんの卵を抱えていたので、これからのことを考えて放流し、雄の方は中国地方の水族館から要請があったので、そちらに送るということでした。水族館同士、よくこのようなやりとりを行っているそうです。
川から上がったあと、みんなで採集した生き物を1つの容れ物に入れ、写真を見ながらきれいな水にすむ生物、少し汚い水に棲む生物、汚い水にすむ生物に分類しました。その結果、6割がきれいな水、3割が少し汚い水、1割が汚い水という分布になり、予想以上に水質がきれいなのは驚きでした。
そのあと、それぞれの幼虫が成虫になったときの姿を写真で見せてもらいました。夏の街灯などに集まってくる虫がほとんどでしたが、なかでもヒラタドロムシは幼虫のときは平べったいフジツボのような形をしているのに、成虫になると小型のカブトムシのようで、これには先生も最初驚いたとのこと。この虫たちの変化を見せてもらったのが、とてもおもしろかったです。
最後にセミナー室に戻り、今回の授業がこのシリーズの最後であることから、皆勤の3人の子どもたちには津村館長から「おさかな館ジュニアスタッフ認定証」が手渡されたほか、参加の子どもたち全員に記念品(ピラルクの鱗とペンギンの羽根)が贈られ、大喜びでした。
ちなみに、松野西小学校の子どもたちは、年間パスポートを購入し、これからも何回もおさかな館を訪ねると張り切っていました。すでにおさかな館のスタッフとこの子どもたちはとても親しい間柄になっており、これからも淡水の生き物たちについて、たのしく学習することでしょう。
(報告=むっしゅ)