「山歩きが好き」「講師の高橋さんと近所で」「母に誘われて親子で」など、『森の出口を見つける時間』というタイトルに反応した善男善女(?!)11人が学生でした。
講師の〓大五木材代表取締役・高橋照国さんは「端材を捨てるのがもったいない!」との思いから、3.5センチの立方体「森のかけら」を開発。約200種類の木の「かけら」が販売されているそう。
手の大きさにしっくりくる大きさ、木目が6面から見れるのがまたいいなぁ、などと手にした「かけら」(私が手にしたのは桂の木でした)にはまっているうちに、高橋さんのお話はどんどん展開していきます。それは「木にはものがたりがある」ということ。
日本の木の名前には漢字があり、そのいわれがあり、歴史があり。日本人がそれぞれの木の特性を生かしてどのように使ってきたかがひも解かれていくと思いきや、シェークスピアのハムレットに登場する毒薬の木やキリストの十字架の木、トトロの木や「この木何の木」の正体まで。
時間や国境を越え、月へも至る(!)木のものがたりが、ざくざく。古来からの木と人との関わりの深さとともに、高橋さんが木に寄せる思いの深さにたっぷりと浸ってしまいました。
お話の後は、木製のコースターのような「円い森」を使った商品のアイディアを学生各自が考える時間。15分ほど頭をひねり、プレゼンテーションとなりました。
「山ガールにお勧めのペットボトルホルダー」「マウスを使うときのアームレスト」「薄く切ってせんすに」「森のハム」などなど、多彩な企画が発表されました。
高橋さんの『森の出口を見つける』とは、木に建築材以外の可能性を見出すこと。身近に温かみのある木の製品が増えていくという、うれしい予感がしました。
そして私たちの暮らしも木や自然と調和するものに、少しずつ近づくようにしていきたいですね。
【報告:黒河由佳】