無農薬、無肥料で育てられた「レッドパール」を味わいに、宇和島の「リストランテ・ルーコラ」へ。店先に植えられた満開のミモザの木が私達を迎えてくれた。
東温市在住の私にとって、初めて入るお店であった。「地産地消」のレストランのようで、今日は「ルーコラの鯛めしセット」を予約して下さっていた。前菜、鯛めし、サラダ、パスタとパン、デザート(シャーベット)とコーヒーで、量も味も金額も大満足。しかも、生徒さんからサプライズの差し入れ(いちご大福)! それも午前の授業が始まる前にお店に予約して下さったそうで、見も知らずの私の分も数に入れて下さったことは、忘れない。
とは言え、「大学」ですから授業もあります。午前中に引き続き、梶原農園の梶原先生が、食後に講義して下さった。午前中は栽培に関することが主だったが、午後は「種」について。種から遺伝、果ては政治や世界経済に関わるお話もして下さり、消費者としてどうありたいか、生きている限り考えていかなければならないことを実感した。
残念ながら、今日のお料理の中には梶原農園の食材はなかったが、それも「旬以外のものはない」という梶原農法実践の結果であり、この授業では当たり前のことであった。気遣いや演出もなしで、ありのままを見せて下さったレストランの山下シェフも流石である。
種の育て方ひとつとっても、あまりにも多くのことと密接に関係しているために、一番良いと思える方法がわかっても、これまでのやり方をすぐにやめてしまうのは相当に難しい。それは原発などのエネルギー問題にも同じことが言えるのではないだろうか。
偶然にも明日、東日本大震災から2年目の3.11を迎える。こうして美味しく安全な食材を安心していただけること、一期一会を楽しむ時間があることを、幸せに感じた1日だった。
関係者の皆様、生徒の皆様に感謝するとともに、また別の授業でご一緒できれば幸いである。
(報告=高市瑞穂)