「生物多様性の島」ってどんなところだろうか?大三島といえば、大山祇神社と鷲ヶ頭山には行ったことがあるが、何れも冬だったので植物の記憶はない。そして今回の講師がもう何年も前から観察会などで一度お会いしたいと思いながら機会の無かった山本栄治さん。自然観察会は午後からの予定だったが、大三島で植物の調査研究をされている知りあいから午前の下見も一緒に行かないか」と誘いのメールをいただいた。
今回の観察会で楽しく嬉しかったことが二つありその一つが午前中のスタッフだけでの下見観察会。観察会をする台(うてな)を起点に数箇所、珍しい植物の生息地を案内していただいた。そして、ミサゴが海に向かってダイブするところも見ることができラッキーだった。実は観察会の参加者は島以外からの参加者は私一人であったようで、昼食も地元の「大三島の自然を愛する会」の皆さんから地元で取れたものを使った新鮮で素朴な味付けの海藻や野菜の料理を一緒にいただき、大変ありがたく得した気分になりました。
本番の自然観察会の集合時間が近づくと、ぞくぞくと人が集まってきてコーディネータさんも緊張した面持ちで生物多様性の説明をされていました。その中には年配者だけでなく何組かの若い人が子供連れで来られていて嬉しく思いました。島でダルマガエルの目撃情報があったそうですが、風貌がダルマさんに似た(失礼)先生方の案内で、海岸近くの汽水域で見られる春を待つ植物や海辺で見られる野鳥を双眼鏡や望遠鏡で見せていただきました。
二つ目の楽しく嬉しかったことは、観察会を地元の皆さんと一緒に話をしながら歩けたことです。「わたしら、もう歳でいろいろ教えてもらってもすぐ忘れるけど、時々先生に来てもろうているうちに覚えた植物も増えてきた。」「ダルマガエルの話があったときには、見たことも鳴き声を聞いたこともないんで、広島の山まで見に行って来た。」などと、島の自然を愛していて大切に後世に残したいという気持ちが伝わってきました。「大三島の自然を愛する会」の皆さんの活動も素晴らしいし、賛同して観察会などに集まってこられる地元の皆さん、そして若い人たちも関心を持たれていることに、うれしくまた心強く思いました。
島を離れる時には、「みなさん、ありがとう。また来ます。」という気持ちが心から溢れて、夕暮の橋を渡っていました。
講師の先生がた、コーディネータの内田さんお疲れさまでした。島の皆さんの熱意と行動力があれば、希少な植物や生き物を島の宝として多くの人に宣伝しても、心ない人が現れることはないと思うのですが、またいろいろな季節に、海辺の植物や山の植物、生き物を観察する機会を作っていただきたいと願っています。