五十崎の匠に習う「伝統凧づくり」に参加しました!
もう70年も凧を作り続けているという匠。
ここの角度がどうとか、この糸の張り具合がどうとか、いろいろと教えてくれるんだろうなぁと思っていたら・・・。あれ? 骨組みも和紙も糸も、全部準備できてる!
ちょっと拍子抜けしてしまって、これで作って楽しいのかな?なんて、ちょっとイジワルな感想を持ちながら、匠の話にしたがって凧を作っていきます。実は・・・正直ね、凧づくりに「何でこんなに情熱を傾けられるんだろう」って思いながら、匠の話に耳を傾けていたんです。だって、凧ってこんなにシンプルだもの。いろいろ考えている間も、匠は、やさしく作り方をひたすら教えてくれています。竹ひごにのり付けし、型を切った大洲和紙を張り付け、少し感想させた後、少しずつ長さの違う糸を決められた場所に張って、凧らしい弓なりな形に整える。ある方の凧の竹ひごが、ほんの少しだけのり付けが剥がれていました。
「これはダメだ。交換するのでゴメンね
えっ?ほんの少し間隔が広がっているだけなんだけど・・・その時に気が付きました。
匠は、紙を準備したり竹籤を用意している時に、もう頭は大空に高く舞い上がる凧がイメージできてるんです。高く飛ぶ凧はこうだ!というものが、しっかりとイメージできてる。
凧は大空に高く上がって価値がある。その歓びを知っている、その楽しさを知っている。こんなシンプルな凧にも、積み重ねられた技術がある、それを少しでも知って欲しい。匠の想いを感じる瞬間でした。
伝統になるものは、ちゃんと意味があって今に残ってる。今の僕たちに残すべきものがあるから、今に伝わってる。こういうモノを大事にしている人のこころを、つくり方と一緒に大事に引き継いでいく。大事な事を感じ、学びました。それにしても、職人、匠、憧れるなぁ。
出来上がったばかりの凧を上げに、近くの公園へ。
誰よりも歓ぶ匠の姿と、隣で電線に絡まないかヒヤヒヤしながら見てるスタッフさん。
ちょっとオモシロい、もうすぐお正月の公園でのひとときでした。
奥島重利さん、ありがとうございました。
これからもお元気で、多くの人に凧作りの素晴らしさを伝えてください。
(田村政幸)