ツルの渡ってくる季節になりました。
ツルは地上で採食・営巣を行う鳥で、世界に15種おり、
そのうち日本で見られるツルは、ソデグロヅル、カナダヅル、マナヅル、タンチョウ、クロヅル、ナベヅル、アネハズルの7種です。
松にツルという絵が江戸時代からよく描かれているように
ツルは日本人にとっては親しみ深い鳥ですよね。
でも実は、ツルは地上性なので松に止まることはなく
コウノトリが止まっているのを間違えて描かれたのだとされています。
又、タンチョウの尾羽は真っ黒ではなく、黒い部分は風切り羽で、
実際の尾羽は真っ白という話にも会場からは驚きの声が上がりました。
西条市で過去に観察されたことのあるツルの紹介も行われ、
4つを比べると大きさに結構違いがあって驚きました。
タンチョウ、アネハヅル、マナヅル、ナベヅルの4種類です。
一方、ツルの渡来地として有名な鹿児島県出水市には
ナベヅル、マナヅル、クロヅルなど合計して約1万羽ほどのツルが集まり、その中でもナベヅルは世界に生息しているほとんどの数が出水市に渡来します。
昭和23年度から渡来数は増加傾向にあるのですが、もしそこで感染病が起これば大変なことになってしまうので、安心することはできません。
そのために進められているのがツル渡来の分散計画。
愛媛県では西条市や西予市が候補地となっているのですが、
ツルは田んぼを利用し、人と近いところで生活するため
越冬のためには餌場の確保、ねぐらの確保、人為的な干渉を防ぐこと
の3つが大切!
なんといっても、まず渡来地の人々の理解が必要不可欠なのです。
この講義をとおして、少しでも多くの人にツルについて知ってもらえたらいいなと思いました。
愛媛大学 理学部 生物学科 生態環境科学コース2回生
日本野鳥の会愛媛/西条自然学校スタッフ
渡辺奈央