何年も着古したフリースに身を包まれた私はある日啓示を受けたのでした。
「着物さえ着ればこの体たらくも解消!たちまちイケメンに様変わりするに違いなし!」
しかし突然着物を着て過ごそうにも浴衣すらなく挫折感漂っていたところ妻がこんな話を持ってきました。
「浴衣の着付けして土曜夜市をそぞろ歩くんだけど一緒にどう?」
この機会を逃すのは愚の骨頂よね!賛同、一念発起し参加。
集合場所の大街道にあるヒロヤ2階に到着。程なく参加者が揃い授業開始。
年齢層も20〜60代と幅広く意外にも男性参加者の方が多い。浴衣(着物)に対する想いや今日の抱負と自己紹介からスタート。オレだって着てみたかったのさ。そんな同志の言葉に胸が熱くなりました。
講師の中村すみこ氏から浴衣の歴史を簡単にご教授戴いた後まずは男性の着付けを見せて戴く。
浴衣を羽織り腰紐を締めその後帯を身体に2回巻き、腹部で結んだ結び目を背部にくるりと回して完成。
え?! 簡単そうです!
着付モデルとなった紳士の程良く丸い腹部が何とも恰好が良い。江戸の風俗画に出てくる様なあのポッコリお腹の美をここにふしぎ発見!
続いて女性の着付け。
浴衣を羽織りおはしょりと呼ばれる折り返しを腰部に作るのが男性との相違点。腰紐を締め皺を伸ばして手際よく着ていく様は優雅で上品。
男性用よりも幅のある帯をくるりと身体に巻き、余りの部分を折り畳み、その真ん中に帯を回して留めます。見た目は蝶結びの様だが文庫結びというそうです。こちらもくるりと結び目を背部に回して完成。男子ほどではないが意外と簡単に見えました。
お手本を見た後はお着替えタイムへ。
マイ浴衣持参で臨んだ方もいましたが私同様レンタルの方は数種類の浴衣から選択。痩せ気味で貧相な私はタオルをお貸りし腰に巻いて浴衣を羽織りました。腰紐を締めその上から帯を締め結んで完成。拍子抜けする程簡単でした。
背筋が自然にすっと伸び腰回りが引き締まり心地良い緊張感があります。
女性も着付けを終え勢揃いした様は2割増の美男美女集団。絶大な浴衣効果をそのままに夜市へ繰り出したのです。
18時頃の大街道は既に大勢の人でぎっしり。
下駄を鳴らして奴がくる〜♪とはまさに私達のこと。街道の中央に屋台が並ぶ両脇を人の流れに乗りつつそぞろ歩く。
いつもと勝手が違い歩幅が取れず足さばきにも注意が必要です。次第にコツもわかり夜市の雰囲気を堪能しました。
参加者の方々の頬の緩んだのを見ると愉しいひとときだったのは明らか。現代の暮らしには多少不向きな面もある浴衣だが老若男女是非とも着て戴きたい!
特に中高年男性にオススメ。ゴルフファッションより必ずモテます!
<報告:杉浦 史典>