ロケ撮影支援における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン
令和2年6月24日策定
特定非営利活動法人ジャパン・フィルムコミッション
1.はじめに
本ガイドラインは、政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(令和2年3月28日(令和2年5月25日変更)新型コロナウイルス感染症対策本部決定。以下、「対処方針」という。)を踏まえ、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(令和2年5月4日。以下、「5月4日提言」という。)において示されたガイドライン作成の求めに応じ、特定非営利活動法人ジャパン・フィルムコミッションに所属する地域フィルムコミッション会員(以下、「FC」という。)が、映像撮影支援を行う際に、関係者が新型コロナウイルス感染予防対策として実施すべき基本的事項を整理したものである。
本ガイドラインでは、5月4日提言4.(2)「業種ごとの感染拡大予防ガイドラインに関する留意点」、別添「『新しい生活様式』の実践例」、「緊急事態の維持及び緩和等に関して(令和2年5月4日付事務連絡)(内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室長)」、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(令和2年5月14日)及び「緊急事態措置を実施すべき区域の変更等に伴う都道府県の対応について(令和2年5月14日付事務連絡)(内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室長))」を参考に、場面ごとに具体的な感染予防対策を規定している。また、本ガイドラインは、北海道大学病院感染制御部部長石黒信久氏より、新型コロナウイルス感染症予防の観点から頂戴した御意見・コメントも踏まえて作成している。
FCは、映像製作者(映像作品を企画・製作する事業者をいう。以下同じ。)と一体となって、対処方針の趣旨・内容を十分に理解した上で、本ガイドラインに示された「感染防止のための基本的な考え方」及び「映像製作者へ求める具体的な対策」を踏まえ、新型コロナウイルスの感染予防に取り組むとともに、社会基盤としての役割を継続的に果たすよう努力することが求められる。
なお、本ガイドラインの内容は、今後の対処方針の変更のほか、感染拡大の動向や専門家の知見等を踏まえ、必要に応じて適宜改訂を行うものとする。また、各地方自治体の方針によって撮影の条件が異なるため、ロケ撮影が
2.感染防止のための基本的な考え方
FCは、映像製作者が、適切な新型コロナウイルス感染防止対策が講じられた環境での撮影を企画・製作するよう、別紙の「ロケ撮影における新型コロナウイルス感染予防対策チェックリスト(以下、単に「チェックリスト」という。)」等を活用し、映像製作者が、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、最大限の対策を講じていることを確認した上で、ロケ撮影の受入れを調整する。
特に、【密閉空間(換気の悪い密閉空間である)】【密集場所(多くの人が密集している)】【密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる)】という3つの条件(いわゆる「三つの密」)のある場では、感染を拡大させるリスクが高いと考えられ、本ガイドラインは、これを避けること等、自己への感染を回避するとともに、他人に感染させないように徹底することを旨とする。
3.映像撮影支援において、映像製作者へ求める具体的な対策
映像製作者が撮影を行う際は、一般社団法人日本映画製作者連盟等が策定している感染予防対策ガイドラインに沿って感染拡大の予防対策を行うことを基本とし、併せて、映像製作者に対し、以下の対策を求める。
(1)FC等との関係
・映像製作者は、撮影支援を依頼する際に、別紙のチェックリストをFC等へ提出し、感染予防対策を講じていることを報告する。チェックリストの提出がない場合は、撮影支援が受けられない場合があることを理解する。
・映像製作者は、感染者または感染の疑いのある者が発生した場合に備え、撮影現場に携わるすべての撮影関係者(制作する作品の出演者及びその撮影に関わるスタッフをいう。以下単に「撮影関係者」という。)の緊急連絡先及び撮影前2週間分及び撮影期間中の行動記録を、代表者が確認し、それらを3週間以上管理する。
・映像製作者は、撮影現場の責任者を明確にし、責任者はFC等との情報共有、対応、及び協力に努める。
・映像製作者は、撮影支援を受けるにあたっては、FC等の撮影協力者の意向を尊重し、撮影プラン等を、FC等と事前に協議する。
・映像製作者は、撮影終了後14日以内に、撮影関係者から感染者または感染の疑いのある者が発生したときは、FC等へ報告する。
(2)感染予防対策について
・発熱・咳・下痢等の症状がある者、新型コロナウイルス感染症の陽性と判明した者との濃厚接触(最終接触から14日間)がある者、同居家族や身近な知人に新型コロナウイルス感染が疑われる者、過去14日以内に海外から帰国した者(以下、「有症状者等」という。)は、撮影関係者として従事させない。
・衛生管理者(係)を配置し、衛生管理者(係)は撮影関係者の感染予防の徹底と、施設等の使用した場所の消毒を行う。
(3)屋内での撮影について
・施設等の屋内での撮影においては、撮影関係者の人数は必要最小限に限定することとし、施設の広さを考慮し、社会的距離(できるだけ2m(最低1m))を確保する等3密とならない状況で撮影を行う。一度に許される撮影関係者の人数は、最大でも各都道府県が定めるイベント開催の規定人数までとすることを原則とし、部外者の立ち入りを制限する。
・施設等の屋内では、定期的に換気を行い、原則マスクを着用する
4.映像撮影支援において、FC等が行う具体的な対策
(1)チェックリストの確認
・撮影支援の依頼を受ける際は、映像製作者へチェックリストの提出を依頼し、内容を確認した上で、ロケ地管理者等への協力を依頼する等の調整を行う。
・撮影支援を行う際は、撮影関係者の撮影前2週間分及び撮影期間中の行動記録の確認・管理を求める。
・チェックリストの内容が順守されていることを確認し、映像製作者と連携して情報共有に努める。
(2)FC等の担当者の感染防止策
・マスクの着用や手洗いを徹底する。
・衣服はこまめに洗濯する。
・有症状者等は、従事させない。
・検温は毎日必ず行い、発熱等の感染の症状がある場合は自宅待機とし、必要に応じて保健所や医療機関への相談や受診を促す。
・FC担当者の緊急連絡先や勤務状況を把握する。
(3)周知・広報
・感染予防のため、以下について、FC等の担当者に周知・広報する。
- 有症状者等は原則として従事しない
- 咳エチケット、マスク着用、手洗いの徹底
- 社会的距離(できるだけ2m(最低1m)を確保することの徹底
(4)保健所との関係
・感染予防対策及び感染の疑いのある者が発生した場合には、速やかに連携が図れるよう、所轄の保健所との連絡体制を整える。
・事前に地域の保健所と対策の確認を行う。
・撮影中に感染者や感染が疑われる者が発生した場合に備え、保健所の連絡先や対策を確認し、映像製作者にも共有する。
・FC等の担当者に感染が疑われる者が発生した場合、保健所等の公的機関による聞き取りに協力し、必要な情報提供を行う。
(5)感染が疑われる者が発生した場合の対応策
・感染が疑われる者が発生した場合、速やかに隔離等を行い、人との接触をできる限り避けるものとする。また、直ちに帰宅させ、必要に応じて保健所や医療機関への相談や受診を促す。
・対応するスタッフは、マスクや手袋の着用し、対応前後には手洗い、手指消毒を徹底する。
・速やかに保健所へ連絡し、指示を受ける。
・自宅で療養することとなった者は、毎日健康状態を確認するものとし、症状が改善してから最低48時間が経過するまでは従事させない。また、医療機関等を受診し、新型コロナウイルス感染症に対するPCR検査結果が陰性であったことが判明した場合でも、
5.海外からの映像製作者及び撮影関係者について
海外からの映像製作者及び撮影関係者についても、本ガイドライン等に基づいて行動することを求める。